吉島家の緞通

百年後も喜ばれる一枚を目指して

鍋島緞通吉島家|鍋島段通

茶の湯の席

茶の湯の席に、風雅な演出を。

表千家
 日本人特有の美の心は、繊細な手先の技術とともに、伝統的な手工芸に独特の風雅な味わいをもたらしています。
 数ある手織の緞通の中でも、鍋島緞通は昔から茶の湯にふさわしいものとして茶人に愛好されてきました。鍋島緞通には、亭主の心を伝えてあまりある雅趣と得がたい味をもち、渋い落着いた色調は、茶の湯にあい通じるものがあります。

 この優れた緞通は、何ぶん人の手により、経・緯糸を織りつないで作りあげていくものだけに、作られる数も少なく、なかなか身近に感じることが出来ないようでした。このたび、手織の技術がみごとに伝統的な文様を加え、現代生活にもとけこむことが出来るものが実現したことは、大変喜ばしいことであり、日本の伝統工芸の美しさと使いよさが、広く認識されることになると思います。
裏千家
 どうも最近日本の古きよき姿が横に置かれ、外国のものが注目されるむきが強いことは、なにか残念である。外国からの展示会や、品物の説明会、はた又、一連の流行がどっと押し寄せては、日本のものが目立たなくなるのも当然である。 絨毯と言えばペルシャや中国の敷物を思われがちだが、日本の緞通がそれ以上の価値を充分にそなえ持っている、と改めて脚光をあびだしている。なんでも日本のものが日本の風土にあっているのだから、よいことは当然だと思っている。至上の工芸品といえる鍋島緞通が、その精巧な織・文様と、素朴な色感を充分だして、このたび広く世の愛好家の要望に応えられることになった。私は、優れた技術の伝統がここに伝えられていることの喜びで一杯である。これを機会に、日本のよき伝統工芸が、ただ鑑賞にとどまることなく、日常生活に浸透していくことを願ってやまない次第である。

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兜唐花